コラムバックナンバー

「まずやってみよう。というやり方」は最適か? (2006.8.10)

◇有形資産は売上を作り、無形資産は利益を稼ぐ (2006.5.24)

「上手なコンサルタントの探し方・使い方」 (2006.4.12)

「利益率改善」は「質」の改善から (2006.9.21)
利益率を改善するには、原価を下げる方法と売価を上げる方法が考えられます。原価を下げる方法は様々な手法が語られていますが、売価を上げる方法というのは意外と少ないようです。勿論、売価をあげるなどということは簡単にはいかないのは承知していますが、せめて他社より安価で販売しなければならない状態は避けたいものです。
 意外と少ない、「質」の議論。世の中が平均的な考え方になってきているからこそ、「質」の高いモノ・サービスが差別化され付加価値を産むのです。昨今のビジネス界においては(特に地方においては)、商品・サービスの「質」が語られることはほとんど皆無です。これは、東京や大阪などの大都市圏に比べて圧倒的に情報量が不足していることにより、より高い「質」に接する機会が少ないことが要因として挙げられるでしょう。もう一つ考えられるのは、「質」が定性的であるため、その実態が捉えにくいことでそこに触れるのを敬遠してしまう、あるいは、自社の商品・サービスの「質」が高いか低いかさえわからない(議論されない)状態となっているからしょうか。
 日本を代表する優良企業のみならず、最近耳にする優良企業(特に利益率の高い企業)は、漏れなく、その商品・サービスの「質」が高いといえます。では、何の「質」が高いかといいますと、「品質」だけではなく、商品・サービス自体のクオリティーが高いということです。具体的には、モノであれば、本来の使用用途だけではなく、使用環境や保管、廃棄に関わることまで考慮されたモノなどは非常に質が高いといえるでしょう。「質」が低い商品というのは、本来の機能さえ果たしていないモノです。例えば、簡単な小型カメラと大容量ハードディスクを組み合わせた監視カメラ。監視カメラである以上、異常時のトリガー入力や、異常前画像の再生機能などは当然のように備えていなければなりません。ところが、こういった機能がついていないのに「監視カメラ」として市販しようとしているのです。もともと、狙いは最近流行のビジネスマッチングによる企業連携とのことですので、確かに、カメラ技術とデータ記録技術を持った企業がマッチングして作ったということには意義がありそうですが、市販するというレベルの製品にはなっていないのが現状です。
また、その問題が議論されないのももっと問題ですが・・・。
 このように、モノやサービス自身の「質」が標準レベルまでに至っていなければ、市販しても売れないのは当然です。前述の優良企業は上場している企業が多いですが、上場していることによる人的や資金的な企業力で「質」を提供しているだけではありません。しっかりと世の中の動きを観察し、顧客の要望を取り入れる製品を忠実に作っているのです。従って、中小企業で人がいないから「質」の高いモノ・サービスが提供できないというのは単なる言い訳に過ぎないといえます。 要は、「質」に着眼していないこと(気づいていないこと)が問題なのです。
 「質」の高いモノ・サービスを提供すれば、必ず、現状より利益率は上がります。売価を上げるまでは行かなくても、下げることを防ぐことは可能です。顧客の要望がより一層多様化している中で、「質」の高いモノ・サービスを提供すること。「利益率の改善」は「質」の改善から。もっと議論したり語られたりするようになってほしいものです。